はじめに
Fusion360で基板設計したいときに「手持ちの電子部品がライブラリに無い!どうしよう!」ってなることがよくあります。 そこでライブラリを新たに作ろうと意気込むわけですが、毎度やり方を忘れるのでまとめていきます。
対象読者
- Fusion360の電子部品ライブラリに手持ちの電子部品を登録したい人
- 電子デザインライブラリを開いてみたけど操作がいまいちピンとこない人(自分)
ライブラリに必要な情報
ライブラリとして使うためには以下4つの情報が必要です。
①コンポーネント
「コンポーネント」はライブラリに含まれる電子部品をまとめたものです。
例えばピンヘッダなんかはピン数が同じでも真っ直ぐなタイプと直角に曲がったタイプ、表面実装タイプ、など色々あると思います。
ライブラリ作成ではそれぞれの②〜④を作成していくのですが、それらをひとまとめにするものがコンポーネントです。
②記号
「記号」は回路設計において、配線をつなげるために使用される図です。
電子部品の端子を図で表現します。
③フットプリント
「フットプリント」は基板設計において、部品がどこにどう配置されるかを表す図です。
電子部品の端子がハンダ付けされる面(フットプリント)と、そこにハンダ付けされた時の電子部品の姿勢を図で表現します。
④パッケージ
電子部品の外観を表すものです。
電子部品としての機能には直接影響しませんが、電子回路の完成モデルを生成するときに必要になります。
精巧なモデルを登録しておけばエモいモデルが作れるようになります。
ライブラリ作成
手持ちの電子部品(S49E)を使ってライブラリを作成していきます。
作成の流れ
ライブラリ作成は
記号→フットプリント→パッケージ→コンポーネント
の順番で作成していきます
記号作成
回路図上で配線を接続する端子を定義していきます。
やることはシンプルで、ピンを配置→ピン名称を定義するだけです。
見栄えをよくするために四角で囲ってあげます。
記号はこれで完成です。
フットプリント作成
基板上で電子部品の端子がどの位置にどの向きで配置されるかを定義していきます。 基本的な流れは記号作成と同じで、端子が置かれるパッドを配置→パッド名称を定義していきます。 なお、パッド名称は記号で定義した名称と揃えてあげることで互いにリンクされます。 また、編集画面は基本的に基板を上方から見る方向で表示されています。半田づけする面を想像すると左右を間違えるので気をつけてくださいね。
こちらも端子だけだと味気ないので外形を書いて終了です。
パッケージ作成
電子部品の外観を定義していきます。 先ほど作成したフットプリントのデータを右クリックすると「新しい3Dモデルを作成」とあります。
ここを押してみると見慣れたCAD画面が作成されます。
XY平面にフットプリントが表示されており、このフットプリントに重なるように電子部品の3Dモデルを作成してください。 お察しの通り、XY平面は基板面になりますので、そのあたりを意識して作成するといいです。
コンポーネント作成
作成した記号、フットプリント、パッケージをコンポーネントに登録します。
(後日詳細を追記します)
以上でライブラリ作成は完了です。
さいごに
手持ちの電子部品をFusion360の電子部品ライブラリに登録する方法をざっくり説明しました。 とてもシンプルな構成の電子部品を使ったのでこれくらいであれば30分かからずに追加できるボリュームだと思います。 マイコン関係でも端子が増えるだけで基本的な流れは同じです。
他にも機能がたくさんあるようなので、知識が増えたら記事を書きたいと思います。 この記事についても指摘やコメントがあれば宜しくお願い致します。