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卓上CNCの騒音問題を解決する防音ケースの構造とは

今回は購入した卓上CNCの騒音問題を解決する防音ケースの構造を考えていきます。
集合住宅でも安心して使えるような防音性能を目指したいと思います。 qooblog.hateblo.jp

防音について

音の性質

まずは敵を知ることから始めましょう。

「物理学における音:音波」Wikipediaより引用

物理学においては、音とは物体を通して縦波として伝わる力学的エネルギーの変動のことであり、波動としての特徴(周波数・波長・周期・振幅・速度など)を持つ音波として表せる。
音波を伝える物質は媒質と呼ばれる。音波は圧力変動の波動として伝わり、ある点での密度の変動を引き起こす。媒質中の粒子はこの波によって位置を変え、振動する。音について研究する物理学の分野は音響学と呼ばれる。
媒質が流体(気体または液体)の場合はずれ応力を保持できないため縦波しか伝播できないが、固体中では縦波・横波・曲げ波・ねじり波などとして伝播できる[8]。それら縦波以外の波も広義の音波に含む場合がある。

Wikipediaからざっくり解釈すると、
『音』は縦波で、流体を媒介して伝わる」ということが分かります。
また、音の振動は固体中を伝播することができ、縦波・横波・曲げ波・ねじり波など様々な形で伝播していきます。

高校物理で扱う「波」の分野にて、波には「反射」「屈折」「回折」「干渉」の4つの特性があるという話がありました。
音も縦波として流体中を伝わっているので、光と同じように上記4つの特性を持っていると言えます。

防音とは

音の特性を把握したところで、次は防音について調べていきます。
ひとえに「防音」といっても、吸音遮音防振など、複数の要素が含まれています。

  • 吸音:反響の低減・反射の抑制・騒音レベルの低減を行うこと
  • 遮音:発生した音を遮ること
  • 防振:振動している物体から、別の物体へ振動が伝わることを防ぐこと

吸音材と遮音材

世の中には「吸音材」と「遮音材」いうものがあります。その名の通り、吸音または遮音してくれる優れモノで、防音には必須のアイテムです。

通常は壁に音が当たった際に、先述した波の特性により音の反射が起きます。さらに音波は固体中を伝播するので、壁の裏側へと音が伝わり通過します。

一方で、吸音材と遮音材は音が内部を通過する際にエネルギーを音から熱へと変換することで、通過する音のエネルギーを奪うことができます! (スゲー!!
※材料や構造により違いがあります。

吸音材は「入射した音」と「通過した音」とを比較することで性能を評価することができます。 吸音材はその比率を「吸音率」と呼び、これが高いほど音の吸収性能が高いと判断します。

吸音材の評価では「吸音率」と呼ぶのに対し、遮音材ではこの比率を「透過率」と呼びます。 性能を示す指標としては、透過率の逆数の対数を10倍した「透過損失」という量が用いられるのが一般的で、透過損失の値が高いほど遮音性能も高いと判断します。

吸音材は音を通過させる代わりに入射した音のエネルギーを減らします。一方で、遮音材は吸音材よりも音を遮る能力が高く、入射した音のほとんどを反射させてしまいます。 したがって、防音をする際は吸音材を通した後に遮音材で跳ね返すという手段が一般的となっています。

たしかにこの構造であれば外部に音を漏らさずに内部の音を抑え込めそうです!!

防音ケースの構造を考える

防音についてわかってきたところで、いよいよ防音ケースの構造について考えていきましょう!

まず前提として、ケースの中央にはフライスを置き、周囲を壁で覆う構造にします。
また、ケースの中へアクセスしやすくするために、フライスの正面には扉をつけるとします。

壁の構造

フライスの周囲を覆う壁の内側には一般的な組み合わせである吸音材と遮音材のセットを配置したいと思います。
フライスの加工中に出る音は非常に高音なので、周波数が高い領域での性能を比較検討します。

フロア(床)の構造

加工中はフライスの振動がケースを伝播して外部へ漏れ出てしまう可能性があるので、フロアにはゴムシートを使います。
耐震用マットとかだといいんでしょうか?要調査ですね。

外部との接点

外部との接点も要注意です。
箱状のケースを床にドカッと置いてしまうと接触面積が増えてしまうので、それだけ振動が伝わりやすくなると考えられます。(主観です

なので今回製作するケースは高床式構造にすることで接触面を限定し、そこに耐震用の足をつけたいと思います。

まとめ

今回は「防音」をテーマに「音を遮る仕組みと構造」について調査しました。 とりあえず吸音材と遮音材を組み合わせればある程度の防音は確保できそうです。 次回はいよいよケースを製作していこうと思います。では!

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