はじめに
前回はインホイールモータの開発動機と構想について書きました。
Ascentoが作りたい…‼︎‼︎という想いを胸にインホイールモータを製作してみます。
本日のお題
ブラシレスモータ(以下、BLDC)を倒立振子ロボットの車輪として扱うにあたり、モータの速度制御や位置制御を正確にできなければいけません。
BLDC制御に関してはロータの回転を正確に把握しなければならず、どうやってその情報を取得しようかな?できるかな?というのが本記事のお題です。
使用するモータとドライバ
試作に使用するBLDCにはジンバル用のを使用します。
BLDCはドローン用のラインナップが充実していますが、羽をつける軸が邪魔なのでジンバル用を採用しました。(めっちゃクワッドコプター用って書いてありますが・・・)
また、BLDCの制御にはSTマイクロから出ているドライバを使用します。
コンパクトなサイズでありながら、豊富な制御とインターフェイスを兼ね備えているので採用しました。
モータ制御に必要な機能が網羅されているのでとても魅力的なドライバです。
ただし、制御するためには(細かい話は抜きにして)前述の通りロータの回転をセンシングできなければいけません。採用したBLDCにはエンコーダやホールセンサ(磁気センサ)が付属しておらず、市場にもこのサイズ感でセンサ付きのものはほとんど出回っていないのでひとまず後付けで対応したいと思います。
また、ロボットの足元を極力コンパクトにしたいので、エンコーダではなくホールセンサを使います。(安価だし・・)
ホールセンサの後付け
BLDCはロータについている永久磁石がステータについているU,V,W層の3種類のコイルから出る電磁気によって力を受けて回転します。
回転を制御するためにはコイルに流す電流を調整する(=コイルから発せられる電磁気を調整する)ことが必要で、さらに効率よく回すためにはU,V,W層それぞれの前を通る永久磁石の磁気を計測して、その磁力に合わせてコイルの電流を調整する必要があります。(ベクトル制御)
高トルク&高速応答!センサレス・モータ制御技術 シンプルで高信頼!ベクトル制御で力強く,静かに回す (パワー・エレクトロニクス・シリーズ) [ 岩路 善尚 足塚 恭 共著 ]
今回使用するドライバ(B-G431B-ESC1)にはそのベクトル制御が備わっているので、あとはロータの磁気を計測できるようにするだけです。(STマイクロ様々ですね)
ホールセンサを使えば磁気を計測できるし楽勝やろ〜〜😁
………そう思っていた時期が私にもありました😇
「磁気が計測できる」というのは「金属がくっつく」ということです。試しにBLDCに金属を近づけてみたのですがほとんど反応がありません😨
永久磁石が貼り付けられている壁の裏側に微弱な反応があるだけでした。。。OTL
その後も色々と検討しましたが、さすがにこの位置であればまともな計測ができました。
スペースがだいぶ限られるのでここにセンサを埋め込むのは気が進みませんでしたが、ここしか磁気が取れないので腹を括ります。。
やるしかない。
センサ埋め込み
ホールセンサをBLDCの筐体に埋め込むために基板をFusion360で設計して卓上CNCで製作しました。
さらっと言ってますが直径が10円玉サイズなのでハンダ付けが大変です笑
なんとか配線を終え、ステータコイルを外して取り付けてみるとギリギリ…。
でもちゃんと干渉なく埋め込めてるから良いんです😎
オシロスコープにセンサの端子を接続してみると…
UVWの3層ごとに位相が120°ずれた正弦波が無事に取れていました👍
埋め込み成功です❗❗
次回に向けて
ここまで読んでいただきありがとうございます。
次回は埋め込んだセンサを使って色々とBLDC制御を試してみようと思ってます。
しか~~し!今回のセンサ埋め込みを試行錯誤する過程でモーターのコイルをバラしてしまったので現在買い直し中です、、。
届くまで少しかかるので、待ってる間に別の記事でも書こうと思います。(CNCの話でもしようかな。